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毎日の出来事を記録することには2ヶ月で飽きた。元々LINE依存の離脱症状緩和に向けたリハビリのために書いていただけだし、書かないでいられるほうが(私にとっては)健康なので本当によかった。
そもそも毎日職場と家の往復だし、お腹すいた・眠いくらいしか思うことがないから、書き残すほどのことなんてなかった。

書き残すほどのことなんてほとんど何もない毎日だから、書き残すべきことは書き残さないといけない。


5/4
マームとジプシー、Sheep Sleep Sharpを観た。

マームとジプシーは、演劇を好きになったばかりの頃に、知り合いといわきの演劇祭りで出会った。演劇のためだけならいわきに行くなんてしなかったかもしれないけれど、その前日にちょうど仙台で、大好きな大森靖子さんとチャラン・ポ・ランタンのツーマン(東京でも公演があったけれど大学院入試の数日前で泣く泣く行くのを諦めた)があったので、そこからいわきを経由して帰ろうということになった。

演劇祭りに行った元々の目的は、いわき総合高校演劇部の演目を観るためだった。一緒に行った知り合いが、東京でその演劇部の別公演を観ていて、あまりにそれがよかったからもう一度観たい、ということで行くことになった、ような記憶がある。
余談だけれど、私が観劇にハマったきっかけは月刊「根本宗子」の「夢も希望もなく。」を観て衝撃を受けたからなのだけれど、これを勧めてくれたのもいわきに一緒に行った知り合いだった。趣味が合うだけなのかセンスがいいのか分からないけれど、面白いといったものが本当に面白いことが多いので、絶大な信頼を置いている。

演劇祭りとは、つまり演劇フェスだ。イメージとしては、下北沢などでやっているいくつかのライブハウスを使ったフェスが近い気がする。ホールからカフェ・バーのようなところまで、会場付近のさまざまな場所で、お芝居が行われていた。
私は知っている/気になる劇団なども特になかったので、知り合いが行く会場に、賛成も反対もなくただただついて行った。いわき総合高校演劇部さえ観られれば、あとは特に何の希望もなかった。マームとジプシーも、意思もなくただついて行ってなんとなく観た劇団の一つだった。

その日の記憶はマームとジプシーしかないくらいの衝撃だった。もはやいわき総合高校のことはまったく覚えていない。つまらなかったわけではなくて、マームとジプシーの衝撃が強すぎたのだ。
「まえのひ」という川上未映子のテキストを、青柳いづみさんが一人芝居で演じるというものだった。セットは梯子が一つだけだった。よかった!感動した!グッときた!とかではない、とにかく言い表せないほどの衝撃だった。

東京に帰って、マームとジプシーを検索して、直近の公演のチケットを買った。「ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、 そこ、きっと──────」という演目だった。最高だった。最後の1秒で、崩れるように泣いてしまった。独特な台詞の繰り返し、衣装やセットの簡素さ、セット転換すら演技の一部にしてしまうこと、その他いろいろ、その全てが最高に素晴らしかった。
マームとジプシーはまったく説明ができないのでとにかく観に行ってくれとしか言えない。夏にツアーがあって、埼玉、上田、札幌、北九州、豊橋、伊丹でやるらしい。この演目も観られるのでぜひ観て欲しい。

その後も本公演はできるだけ観に行った。
私の好きなもう一つの劇団、月刊「根本宗子」は、なんというか“息抜き”のための芝居だなと思う。観たあとに、息を抜いたな、面白かったな、この面白さを誰かと共有したいなという気持ちになる。笑ったり、グッときたり、息の仕方を教えてくれる感じがする。
それに対してマームとジプシーは、息の仕方が分からなくなる。難しくて内容のすべては理解できていないんだろうなと思うこともある。瞬きのタイミングも、呼吸の深さも、すべて試されている感じがする。一人じゃ抱えきれなくて、今すぐ誰かと話したいという気持ちになる。

マームとジプシー、Sheep Sleep Sharpを観た。青柳いづみさんの演技が好きだ。演者が出てきた瞬間から息が止まってしまったし、ジャケットを着ていたにもかかわらず途中から鳥肌が止まらなかったのは、冷房がかかっていたからかそれ以外の理由なのかもはや分からない。
感想は私の語彙では言い表せないので、ぜひ観に行ってほしい。人に勧めるのに、とにかく観ろ!話はそれからだ!と言うのもどうかと思うけれど、それしか言えない気持ちを共有したい。7月にまた「ΛΛΛ」が観られるのが本当に楽しみ。